左官屋さんの会社で、塗り壁体験してきました。
こんにちは。一昨日は春1番が吹いて、1歩ずつ春の足音が聞こえてくる湘南茅ヶ崎。
笑顔あふれる家づくり:藍プランニング(株) スタッフブログです。
とはいえ昨日は寒さもぶり返し、三寒四温の季節です。
そんな中昨日は地元茅ヶ崎の左官屋さんの会社、ダイゼンホームさんで開催された『珪藻土体験説明会』に参加させていただきました。
最近よく聞く珪藻土って何?
ここ最近弊社でも、壁の仕上げに塗り壁、特に珪藻土を使ってみたい、とのご注文が多く聞かれます。
でも今まではあまり塗り壁を積極的には採用してこなかったんですよ。その理由は後程詳しく説明しますね。
しかしながら、そのデザイン性や珪藻土や漆喰の製品としての性能もとても気になっていたことは事実。そんな折にダイゼンホームの社長さんにお話を聞く機会があり今回の『珪藻土体験説明会』に参加させていただくことに。
そもそも珪藻土って何?住宅関係で最近よく耳にすることがあるけど、どんなものなの?と思っている方も多いと思うので、昨日説明していただいたお話の中から簡単にまとめてみますね。
珪藻土とは、
「ガラス質の殻をもったプランクトンが湖底や海底に800万~1000万年もの間沈積し、珪酸部分だけが化石として残った堆積土です。珪藻とは、昆布やわかめなどの海藻と同じ藻類と呼ばれる生き物の仲間なのです。細胞を取り巻くガラス質の部分(珪酸)で出来た藻類、が珪藻、その化石が堆積したものが珪藻土です。」
その珪藻の形が、多孔質という無数の穴(孔)の開いた構造になっていて、これが天然のエアコンと言われる珪藻土の性能に関係してくるんですねー。
では、その機能性はというと
*湿度調整
*消臭・分解
*不燃・断熱
珪藻が無数の穴の開いた形といいましたが、実はこのたくさんの穴で呼吸をするよう湿気を吸い込み、更には乾いてくるとその湿気を放出するという特徴があります。その調湿性能はビックリするくらいです。
実際に調湿実験として見せていただきました。
湿気で満たした、一般的なクロス張りの箱と珪藻土の箱が10分間でどのくらい吸湿するか、の実験です。左のクロス張りは湿度98%(ちょっと見えにくいですが)とほぼ変化なしなのに比べて、珪藻土の方は64%とだいぶ湿気を吸い込んでいるのがわかりますね。
そして珪藻土の穴が吸い込むのは湿気だけではありません。嫌なにおいや家の中の化学物質から発生するVOC(ホルムアルデヒドなど)も吸い込み、それだけでなく分解してから放出するんです。二酸化炭素も吸い込みそれを分解して酸素を放出するという植物のような役割も!(もともと藻の仲間ですからね。)
昨日は消臭効果を体感出来る実験もあり、参加者一同その効果にはものすごく驚かされました。
そして更には、燃えにくい、熱を通しにくいなどの特徴もあり防災や断熱の効果も。
珪藻土が、エコ建材と言われる理由はこんなところにあったんですね。
珪藻土と漆喰の違い
塗り壁の材料としてよく耳にするものにもう一つ、「漆喰」というものがあります。
では、漆喰と珪藻土は何が違うのでしょうか?
漆喰は消石灰を主原料として、そこに水と砂などを練りこんで昔から壁材として使われてきた歴史のある建材です。昔の日本の住宅やお寺や神社、またお城などでもよく漆喰の壁が見られます。漆喰もまた天然素材で出来ており、珪藻土に比べれば劣るものの調湿効果や消臭効果などもあるようです。
漆喰の歴史は古く5000年も前から建材として使われていたようですが、珪藻土が建材として使われだしたのはまだ20~30年前。珪藻土は意外と新しいものなんですね。
塗り壁としての仕上がり感も、漆喰はどちらかというとつるっとしたなめらかな仕上がりで色はほぼ白一色、珪藻土はざらざらした粗い仕上がりで、最初の写真がサンプルですがいろんな色の物が出ているようです。
歴史の違いもさることながら、漆喰と珪藻土の1番の違いは自ら固まるかどうか!
漆喰は時間とともに自らが固まる性質を有していますが、それに対して珪藻土は固まりません。なので珪藻土には固まるための何か(糊的な物)を入れる必要があるのです。今現在珪藻土としていろんなメーカーからいろんな製品が出ていますが、その中には必ず固めるための物質が入っています。その割合が8:2なのか5:5なのか、1:9なのかによっても、先にあげた珪藻土としてのいろんな効果が違ってくるそうなので、珪藻土といっても全部天然素材で全部同じではないそうです。製品を選ぶときも気にしたい点ですよね。
お楽しみの塗り体験は・・・
珪藻土についていろいろ勉強した後は、お楽しみの塗り体験です。
あらかじめ練っておいていただいた珪藻土を、練習用の壁に塗っていきます。
まずはタイゼンホームの渡辺社長のお手本から。コテの使い方、壁への塗り方、模様のつけ方などをデモンストレーションしてもらいます。
いつもはおどけた感じのとてもフランクな社長さんですが、コテを持って壁を塗っていく姿はさすがプロ!見ていた一同から「社長かっこいい!!」の感嘆の声が(^O^)/
お手本を見せていただいて早速みんなで順番に塗ってみます。
みなさんほぼ初めての体験。私も初めてです。
最初はこわごわとコテを使っていましたが、慣れてくると壁に珪藻土を塗っていくザラッとした感触と、だんだんコツをつかんでうまく塗れると気持ちいい~!と癖になりそうです(笑)
珪藻土のデメリットは
さて、珪藻土の素晴らしい点を数々紹介してきましたが、ではデメリットはというと。
*価格はどうなの?
一般的なクロスの内装に比べると、材料費が高いだけでなく、施工にかかる時間や費用もお高くなります。内装の仕上げを塗りの壁にするにはその下地を塗り壁用にしなければなりません。リフォームの場合などはそのお宅でも違いますが、クロスの上からそのまま塗れる場合と、クロスをはがして下地からやり直す場合では料金もだいぶ違ってきます。
*施工はどうなの?
塗り壁の風合いはとても素敵ですよね。いろんな塗り方でテクスチャーに変化をつけられて、インテリアのイメージに合わせることが出来る。昨日の体験会でも塗り方で変わるいろんな模様を見せていただきました。そして実際に自分で塗ってみて、意外とスピード感が大事なんだなという事。塗ってから30分もすると固まり始まるので時間がたつと修正が難しいそうです。だからこそ腕のいい職人さんにしっかりとイメージを伝えて施工してもらう事が大事です。
*メンテナンスはどうなの?
塗りの壁の1番の問題は「割れ」だと思います。木造の家は特に、湿度などで木が伸び縮みして家自体が常に動いているものです。それに反して塗り壁は伸縮はしません。その動きのひずみが壁の一部に影響するとその部分にひびが入ったり割れたりします。普段の生活ではそんなに大きな割れは見られなくても、地震などの大きな揺れで割れて落ちてくることも考えられます。調湿効果の高い珪藻土でも、特に新築のお家は建材が安定するためにも1年間は様子を見ながらマメな換気をするなどの工夫が大切になってきます。
また、毎日の生活の軽い汚れなどは消しゴムを使って落すのが効果的だそうですが、ひどい汚れが付いてしまった場合は(汚れの種類にもよりますが)壁を削って再度塗り直しという場合も。
天然素材の塗り壁の特徴をよく理解していただきセルフメンテナンスをしていただいたうえで、ヒビや汚れを、年を経た結果の「味」と見るかはお客様次第なのかなと思います。
実は弊社でいままで積極的に塗りの壁を採用してこなかった理由も、この「割れ」の問題。代表の川上が以前勤めていたハウスメーカーで、塗り壁のヒビや割れの対応で大変だったという経験から。
でもタイゼンホームの渡辺社長もおっしゃっていましたが、「珪藻土の壁はヒビや割れが起きるもの」ということを、お客様にしっかりと説明、その特性を理解してもらい施行を決めてもらう、ということが1番大事だなと、昨日の体験会を通じて感じたのでした。
渡辺社長ありがとうございました。
自分で壁を塗ってみたいと考えてる方へ
塗り体験をさせていただいて、実は私も自分で自宅の壁を塗って見たくなった1人です。
実際に最近は、自分で家の壁を塗ってみたい!というお客様も。わかります、その気持ち!子どもの頃の泥遊びの延長のような、土を触っている楽しさ。自分で自分の家を作り上げる喜びもありますよね。
でも、家1軒丸ごと、1部屋丸ごとは超大変そうなのも実感してきました。
何が大変そうって、まず美しく仕上げるための下準備。汚れたりはみ出したりしたら困るところにビニールシートを張ったり養生テープで保護したりの準備がすごく大変そう。
そして技術的な事も。上にも書いたように意外とスピード勝負で一気にササッと塗っていかないと修正が難しいこと。むらなく均一に塗っていくにもかなりの技術力がいりそうです。
実際にやってみたいと始められても、あまりの大変さに途中で挫折、後はプロにお任せ―、って方もいらしたとか。
もしどうしてもやってみたい、という時にはそんなに美しさを求めなくてもいい(素人の仕上がりでも妥協できる)トイレの壁やプライベートな空間の壁の1面だけ、ご家族で塗ってみるというのも有りですね。
私も、部屋全部は無理だけど、リビングののワンコスペースの床や壁に珪藻土を塗って、消臭効果を確かめて見たいなと思いました。
珪藻土の塗りの壁、新築にリフォームに考えている方、自分たちで塗ってみたい!と希望の方は是非ご相談ください。お客様にピッタリ合った施工のスタイルを一緒に考えましょう。
最近手がけた天然木と珪藻土の新築の施工例はコチラ ⇒ 薪ストーブが似合う自然素材の家
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